仙台高等裁判所 昭和26年(う)1092号 判決
記録を精査し、原判決第七事実認定の証拠として摘示の証拠を綜合すれば被告人は犯罪の実行意思のなかつた原判示鈴木正男及び柳田清太郎を唆かして窃盜を決意、実行せしめたことを優に窺いえられるのであつて被告人が自己のために実行々為をなすべく行動したものでないと認めるべきであるから原審が被告人の右事実を窃盜の教唆と認定したのは相当である。なお被告人は当時柳田清太郎は刑事責任能力者と思惟していたが事実は刑事責任年令に達していなかつたことが確認しえられるので此の点は窃盜の間接正犯の概念をもつて律すべきであるが刑法第三十八条第二項により被告人は結局犯情の軽いと認める窃盜教唆罪の刑をもつて処断さるべきが相当であるというべきであるから原判決には所論のような違法は存しない。趣旨は理由がない。